アットホームのこだわりアカデミーが面白かった

 カッコウについて調べていて偶然発見したのだけれど、アットホームのこだわりアカデミーというサイトが面白かった。面白かった記事をいくつか紹介する。

  • カッコウとオナガの闘い−托卵に見る進化
    • カッコウが托卵を行うことは有名であるが、江戸時代と今では托卵する鳥の種類が違うそうだ。以前はホオジロという鳥に托卵していたのが、ホオジロカッコウの卵を見分ける能力を獲得して、カッコウもそれに対抗してホオジロに卵を似せるなど進化の争いをしていたのだが、最終的にはホオジロカッコウの卵を識別する能力が勝ち、今ではホオジロへの托卵はほとんど見られない。今はカッコウは別の種類の鳥に托卵しているそうだ。江戸時代の文献にカッコウの托卵について書いてあるものが存在すること自体も驚きだし、2〜300年のタイムスケールで動物種の行動が大きく変化していて、それが文献で確認できるというのも驚きである。
  • オジギソウはなぜおじぎするのか
    • オギジソウはおじぎをするが、電気信号を使っておじぎさせており、どうやら動物の神経と似たような仕組みを持っているらしい。エーテルで麻酔をかけるとおじぎしなくなるそうだ。当たり前ではあるが、植物には筋肉はなく、おじぎをさせるためのメカニズムは動物とはぜんぜん違う。植物が神経のようなもので情報を伝達する必要がどこにあるのかよくわからない(なにせ情報を処理する脳がない)が、そういう機構があるということはなにかに利用しているんだろうなぁ。
  • 実験室で「進化」をつくる
    • テトラヒメナという原生動物に、光合成をするシアノバクテリアを食べさせると、通常はテトラヒメナはシアノバクテリアを消化していたが、空気のない状態に移すとシアノバクテリアを消化しきらずに、シアノバクテリアが作った酸素を利用する、いわゆる共生の状態を生み出した。植物の葉緑体も元は別の生物で、遠い昔に光合成能力をもった細菌を真核生物が取り込んで植物に進化していったと考えられているらしく、それを再現するのが目的らしい。別の生物をまるごと取り込んで進化する、というのは他にも例があり、地球上のほとんどの生物がもっているミトコンドリアはもともとは別の生物だったらしい。ミトコンドリアDNAが細胞核のDNAとは独立して存在しているのはその名残りである。こういった事を教えてくれれば、中学、高校の理科の授業も楽しかっただろうに…。

 なぜ不動産の会社がこんなことをしているのか、これは誰がやってるんだろう、と思って調べてみたらインタビュアーがアットホームの社長だった。要するにこのこだわりアカデミーは半分社長の道楽なんだろう。たしかに、こういう企画を立てるなら、自分でインタビューに行きたいよね。羨ましい話である。