iPadの良いところと悪いところと悪いところ

 5/11の夕方、その時会社にいた7人の同僚のうち5人が既にiPadの予約をしていた、という異常な熱に浮かされて、iPadを予約してしまった。当然の帰結として、5/28にiPadが自宅に配送され、そして来月のクレジットカードで4万8千円ほど銀行口座から引き落とされる事になった。
 そんなわけで早速iPadをいろいろ触ってみたので、良いところと悪いところを挙げてみたい。
 良いところはなんと言ってもユーザーインターフェースだろう。iPhoneと似たような感じなのだが、画面サイズが違うというだけで、iPhoneとはかなり印象が違う。コンシューマー向けコンピューターの未来はこっちにあるんだろうな、と感じる。それほど遠い未来ではなく、5年後ぐらいには、今のPCの市場はこういったタッチパネルつきコンピューターにかなり食われているだろう。興味があるところを触ればなにかが起きるというのは、わかりやすい。
 悪いところはいろいろあるが、遅い事、不安定である事が特に大きな不満である。Windows 95を使っていた頃を思い出すような不安定さだ。
 とにかく、遅い。Safariでページをスクロールすると、未描画の部分を2,3秒眺めさせられる事が結構あるし、同じくSafariでは、見ているページを切り替えると再読み込みが頻繁に発生する。メモリ使用量を気にしているのかもしれないが、フラッシュメモリを最低でも16GBも積んでいるのだから、そのうち50MBぐらいの領域をキャッシュに使ってくれてもいいじゃないか、と不満を感じる。CPUが遅いというよりは実装の問題のように思う。
 また、全体的に不安定だ。Safariもたまに落ちるし、YouTubeの動画を再生しながら回転させるとほぼ確実に落ちる。Safariが使いにくいということで入れてみたAtomic Web Browserも、便利なんだが、タブ切り替え時に頻繁に落ちる。
 ユーザーインターフェースも完璧ではない。テキスト入力時にカーソル操作がしにくい。画面は広いんだからカーソルキーをつけてもいいのではないかと思う。
 物理的にもちょっと重い。重いので持ち方を工夫したくなるのだが、ちょっと変な持ち方をすると画面の端っこを触ってしまって誤操作が発生する。おかげでこの日記は一回iPadで書いていたが、誤操作で全部消えたのでPC上で書き直した。
 マルチタスクに対応していないのも(個人的には)致命的だ。自宅では普段WindowsMacも使っていない(初期化にはVMWare上のWindowsを使ったが、メモリを2GBしか積んでないのであまりVMでいろいろ作業したくない)ので、iTunesも使えない。バックグラウンドでの音楽再生はiPodアプリを使うしかないが、iTunesで転送しないとiPodアプリで使えない。(Rhythmboxあたりで転送できるのかもしれないけど、試してない。)マルチタスクに対応していれば、音楽再生にdropboxを使うことも出来るんだけど。
 どれもこれも時間が解決してくれそうな問題ではあるが、非常に大きな問題である。朝起きてウェブとメールを見るのにちょっと使う、というような用途には、普通のパソコンの方が圧倒的に快適だ。新しいものが好きな人以外にはまだ勧められない。
 とは言え、これまでなかったサイズのタッチ操作タイプのコンピューターであり、用途によっては現時点でも十分に使い物になりそうだ。例えば、論文のPDFとかを入れておいて出先でだらだらと読むというような用途には、ノートPCよりも快適に使えるだろう。